デミのがん体験記 (6)「がんが消えない!」

(神奈川県鎌倉市の空 By H.H)

フィリピンでの摩訶不思議な体験と、そこで知り合った個性的な方々とのご縁を手に帰国した私は「がんは悪者ではなく自分の一部、多くを教えてくれる先生」との言葉を信じ、朝起きては「ありがとう!」としこりを擦り、お風呂に入ってまた擦り、夜ベッドに入りまたまた擦り、毎日毎日お腹を触ってはがんに愛を送り、まだかまだかと期待に胸を弾ませ「奇跡」を待ち続けました。
フィリピンで知り合った方々は帰国後も色々な情報を送ってくれます。沖縄から参加していた方が主催する「断食 座禅&瞑想会」のため沖縄にも行きましたが、9月のCT検査でも腫瘍縮小は見られず一向に奇跡は起きません。
毎朝日の出を拝み、瞑想をし、人参リンゴジュース、数々のサプリ、小豆酵素玄米、量子波治療、携帯式量子波発生器、ヒーリングセッション、前世療法、内観療法、人気講師のヒーリング講座、と片っ端から試みましたが、「奇跡」が起こるどころか、とうとう腎臓が悲鳴を上げ微量ながら血尿が出たのです。
ハラハラ、ドキドキ、の期待感は一変、恐怖とイライラに変わり、「まだ消えない!出血した!!」と、すがる思いでフィリピンへメールを送ったところ「心霊治療は病気に効果がある無いではなく、頂いたエネルギーを自身のなかでどう活かすかという、意識の変容が最も重要な課題」つまり、「病気を治すより気づきを得ることが大切」と、禅問答の様な返答に手立ても無くなり、以前から「私の使命って?」と探していたところに、今度は「気づき探し」が加わり、交通安全のボランティア、農事ボランティアと没頭します。
今思えばボランティア活動に勤しむことに自分の存在価値を見いだし、「気づき」と「人生の使命」を同時に手に入れようと足掻いていたのかも知れません。
この頃9年間通っていたカルチャースクールを休学、3年間続けた交通安全のボランティアも人間関係に悩まされ退会。フィリピンで知り合った方々からも依然「善意の情報」が届きましたが、根拠も経験も伴わない多くの情報は「悩みの種」にしかならず、敢えて連絡を取らずにいました。

こうして世間との関わりも少なくなり、独走マラソンのゴールも見えず、それでもまだ「奇跡」を求めて迷走するばかりでした。

(つづく)